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セリ - 芹

Oenanthe javanica (Blume) DC.

セリ全体

春の七草の一つとしておなじみのセリ

Canon EOS7D + COSINA Carl Zeiss Planar T* 1,4/50
Shiraoi Town in Mid August, 2016

セリ全体

湿地や水辺など水分の多い環境に生育しています

Canon EOS6D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Mid August, 2017

セリ葉

葉は1〜2回の羽状複葉です

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

セリ葉

葉の終裂片は卵形〜狭卵形で先がとがり粗い鋸歯縁…菱形っぽく見えることも

Canon EOS6D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Mid August, 2017

セリ全体

晩夏の候…という手紙の挨拶が似合う頃に複散形花序をつけます

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in Last August, 2009

セリ花序

径3mmほどの小花がたくさんつきます

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Mid August, 2016

セリ花序

小花には5枚の花弁があり背側に折りたたまれています

Canon EOS6D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Mid August, 2017

セリ花序

よく目立つ長い小総苞片はありますが総苞片はありません

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

セリ群生

匍匐枝が伸びて栄養繁殖をするので群生することが多い印象

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

セリ&キアゲハ幼虫

かなりの確率で葉上にキアゲハ幼虫を見かけます…これは3齢幼虫

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

セリ全体

なんと10月中旬に花を咲かせている個体がありました

Canon EOS M + EF-M22mm F2 STM
Tsubetsu Town in Mid October, 2013

- セリ

- セリ科 セリ属 -

知らない人はいないであろう、春の七草の一つでもあるセリ Oenanthe javanica。日本全国に分布し、古くは万葉集にも登場するほど日本人にとって馴染み深い植物の一つです。北海道でも低地の湿潤な環境では普通に見られ、キアゲハ幼虫の食草としても知られます。若芽が出る頃に山菜として摘まれますが、その若芽の姿や生育環境が、日本三大毒草の一つとも言われる ドクゼリ Cicuta virosa と似ているのでご注意を…過去には誤食による死亡事例もあります。セリは栽培の歴史も古く、平安時代の文献に記録があるほど。日本だけではなく韓国、中国、台湾、インドシナ半島、マレーシアなどの東南アジアにも分布し、中国揚子江中流域では紀元前三代王朝の頃から栽培されていたと推定されています。とは言え、現代日本の食卓では、“セリ”よりも“セロリ”の方がすっかりメジャーな存在になっていますね。

北海道では概ね8月に花期を迎えます。白いレースのような小花を複散形花序に多数咲かせますが、同じような花序をつける他のセリ科植物に比べ、小花の数はやや寂しい印象を受けるかもしれません。種子繁殖に加えて地中や地上に匍匐枝を伸ばして栄養繁殖も行うので、一体どこまでが同じ遺伝子を持つクローンなのだろうか…と考えてしまうほど群生しています。日本に分布するセリは 2n=20、2n=42、2n=63 という3つの異なる染色体数を持つことが報告されており、2n=20 の染色体数を持つセリは本州、四国、九州、沖縄県の温暖な沿岸に分布し、2n=42 はここ北海道を含む日本全国で最も多く見られ、2n=63 は本州、四国、九州に分布し、北海道及び沖縄県には分布していません。この中で 2n=20 の染色体数を持つセリの分布は、形態的にサケバゼリ O. javanica var. japonica とされるものと一致するそうですが、日本で見られるセリは細分化せず1種にまとめる見解が現在は主流のようです。

なお、前述の 2n=42 は x =10 と x =11 を持つ植物による雑種起源の複二倍体であると考えられ、2n=63 は 2n=42 の三倍体として説明されるようです。

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Yamazaki, T. 2001. Umbelliferae in Japan II. The Journal of Japanese Botany 76(5): 275-287.

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