Last updated on December 14, 2016

ミソガワソウ - 味噌川草

Nepeta subsessilis Maxim.

ミソガワソウ近影

忘れた頃に現れる…といった存在感のミソガワソウ

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Yubaridake in Last August, 2012

ミソガワソウ全体

亜高山辺りの登山道脇などで見かけることが多いですね

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Yubaridake in Last August, 2012

ミソガワソウ花序

茎頂や枝先で集散状にまとまって花がつき目立ちます

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Yubaridake in Last August, 2012

ミソガワソウ花

花冠は長さ2〜3cmほどの唇形で上唇2裂&下唇3裂

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Yubaridake in Last August, 2012

ミソガワソウ花

3裂する下唇の中央裂片は白地に濃色の斑がよく目立っています

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Shihoro Town in Last August, 2009

ミソガワソウ全体像

花色は青みが強いものから赤みの強いものまで若干の幅があります

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Shihoro Town in Last September, 2009

ミソガワソウ全体

葉は長さ6〜14cmで短い柄があり対生しています

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Yubaridake in Last August, 2015

ミソガワソウ葉

葉身は広卵形〜広披針形で先端がとがり鋸歯縁

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Yubaridake in Last August, 2015

ミソガワソウ生育環境

道東方面ではそれほど標高の高くない場所にも生育しています

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Shihoro Town in Last September, 2009

味噌川草 - ミソガワソウ

- シソ科 イヌハッカ属 -

亜高山帯の登山道脇などで見かける機会が多いミソガワゾウ Nepeta subsessilis。ただ、どこでも見られるわけではなく、いざ出くわすと「ええと…これは…あぁ!ミソガワソウだった」と名前を思い出すのが一拍遅れてしまうくらいの存在感。北海道では東へ行くほど生育地が多い印象で、逆に西側の渡島半島などではなかなか見られないようです。

登山道に覆い被さるように生育していることも多く、登山者さんのリュックなどがぶつかり、花冠が落ちてしまっている光景を時折目にします。その花冠は2唇形で、3裂する下唇は中央裂片が一際大きく、白地に細かい紫斑がよく目立ちます。おそらく訪花昆虫への道しるべだと素人ながらに想像はできますが…。ミソガワソウという和名は、伊勢湾に注ぐ木曽川源流部の味噌川で発見されたことが由来とのことですが、現在は味噌川という河川名はなく、このミソガワソウや味噌川ダムなど、わずかにその名を留めるのみです。ちなみに基準標本は岩手県産のもの。

園芸植物に接している方なら、Nepeta 属といえばキャットミントとしてお馴染みではないでしょうか。ネペタラクトンという有機化合物を含有し、マタタビ Actinidia polygama のごとく猫を虜にしてしまうことは有名なお話。特に属和名にもなっているユーラシア原産のイヌハッカ N. cataria は、Catnip という英名で猫好きな人達にもよく知られた植物です。このミソガワソウもキャットミントの一員なので当然猫を虜にするはず!と思い、ミソガワソウの葉を持ち帰り我が家の猫3匹の反応を確かめてみたことがあります。ところが、ほとんど興味を示さず拍子抜けしました。もちろん、全ての猫がネペタラクトンに反応するわけではないことは見聞きしていていたので、我が家の猫達もその部類かと思っていましたが、実はミソガワソウのネペタラクトン含有量はごく少ないという知見 (Ali et al. 2016) を今回このページをまとめる過程で知りました。ただしこの研究で使用されたミソガワソウは栽培由来の植物体で天然由来のものではないこと、そもそも天然由来のミソガワソウの精油組成を研究した報告はなく、今後更なる研究を進める必要がある…という但し書きがつきます。ちなみに精油とはエッセンシャルオイル (essential oil) のことです。

【 参考文献 】

Ali, A., N. Tabanva, B. Demirci, E. D. Blythe, K. H. C. Baser and I. A. Khan. 2016. Chemical Composition and Biological Activity of Essential Oils from Four Nepeta Species and Hybrids against Aedes aegypti (L.) (Diptera: Culicidae). Records of Natural Products 10(2): 137-147.

畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.422, 山と渓谷社.

Hawke, R. G. 2007. A Comparative Study of Cultivated Catmints. Plant Evaluation Notes 29, CHICAGO BOTANIC GARDEN.

Hinoma, A. 2007. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m8737.gif ] (accessed December 11, 2016).

Li, X. W. and I. C. Hedge. 1994. Flora of China 17: 100, [ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200020389 ] (accessed December 10, 2016).

名古屋市上下水道局 水の歴史資料館 (2014)「木曽川流域を訪ねて - 木曽川の最上流・味噌川」[ http://www.water.city.nagoya.jp/shiryokan/library/kisogawa/content3.html ] (参照2016-12-12).

清水建美編著 (2014)『増補改訂新版 高山に咲く花』門田裕一監修, p.314, 山と渓谷社.

梅沢俊 (2009)『新版北海道の高山植物』p.65, 北海道新聞社.

梅沢俊 (2014)『新版北海道山の花図鑑 利尻島・礼文島』p.178, 北海道新聞社.

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